Kinotayo 17e festival du cinéma japonais contemporain

『ぼっちゃん』 [BOZO]

© 2012 Apache Inc

出演: 水澤紳吾、宇野祥平、淵上泰史、田村愛
製作: 2013 | 本編: 130分 | ジャンル: | 日本語音声・フランス語字幕

作品概要

狂気か正気か乱痴気かー「秋葉原無差別殺傷事件」の犯人をモチーフに、社会での居場所を失い追い込まれて行く一人の青年の内面を描き切った、衝撃の問題作。

「疎外感 孤独でもきっと幸せになれるはず、きっと」 秋葉原の歩行者天国。派遣労働者の梶知之は携帯の掲示板サイトに自身のコンプレックスや孤独な叫びを書き込んでいる。無垢な心と歪んだ心が振幅するその姿はどこか不格好で滑稽でさえある。
派遣会社を転々としている梶は「星にいちばん近い町」長野県佐久市の工場に勤務することになり、そこで期間工の田中さとしと出会う。田中は梶と同じく小心で孤独、オマケにいきなり眠る奇病持ち。人生を諦観しつつも優しさもある田中と、殺伐とした環境の中で友情を育む梶だったが、あるすれ違いから、さらなる孤独と狂気に取りつかれていく。

大森立嗣

1970年東京都出身。前衛舞踏家で俳優、大駱駝艦の麿赤兒の長男として東京で育つ。大学入学後、8mm映画を制作。俳優として舞台、映画などに出演。自らプロデュースし、出演した『波』(01/奥原浩志監督)で第31回ロッテルダム映画祭最優秀アジア映画賞NETPAC AWARDを受賞。その後、『赤目四十八瀧心中未遂』への参加を経て、『ゲルマニウムの夜』(05)で監督デビュー。第59回ロカルノ国際映画祭コンペティション部門、第18回東京国際映画祭コンペティション部門、第1回KINOTAYO映画祭コンペティション部門などへの出品を始め、国内外で高い評価を受ける。第5回KINOTAYO映画祭で上映された『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』(10)で日本映画監督協会新人賞を受賞。第60回ベルリン国際映画祭フォーラム部門、第34回香港国際映画祭に正式出品された。『まほろ駅前多田便利軒』(11)では、キネマ旬報日本映画ベスト・テン4位に入選。シネマインパクト作品『2.11』(12)が第42回ロッテルダム国際映画祭に正式出品、最新作『さよなら渓谷』(13)は本年度モスクワ国際映画祭コンペティション部門にて審査員特別賞を受賞している。