19e Kinotayo Festival du cinéma japonais contemporain en France 現代日本映画祭 21 Novembre au 13 Décembre 2025

キノタヨ映画祭の賞

20周年を迎える今年、キノタヨ映画祭はその歴史に新たな節目を刻み、従来の賞に加えて3つの新しい賞を創設しました。

従来の賞 :
観客によって選ばれる《ソレイユ・ドール》、プロフェッショナル審査員によって授与される《グランプリ》と《審査員賞》。

新しい賞 :
今後毎年授与される賞《学生審査員賞》と《岸惠子賞》、そして不定期に授与される《新鋭才能賞》

映画作品への賞

ソレイユ・ドール

毎回最も栄誉ある賞は、観客の皆さまから選ばれる《ソレイユ・ドール(日本語:金の太陽/kin no taiyō)》です。これは映画祭の名称の由来でもあります。 コンペティション作品の各上映後にアンケートを通じて評価が行われ、今回の観客の「心を最も動かした作品」が決定します。 キノタヨはこれまでこのような形で、深田晃司監督、想田和弘監督、濱口竜介監督など、現在世界で活躍する日本映画作家をいち早く発掘してきました。

審査員賞・グランプリ

これら2つの賞は、映画専門家(ジャーナリスト、批評家、映画研究者など)および日本にゆかりのある文化人によって構成される審査員によって授与されます。 多様な視点と文化的な解釈をもって作品を審査することで、日本映画の魅力と奥行きをより深く理解することを目指しています。 観客審査(ソレイユ・ドール)と学生審査に加え、プロの審査員による評価は、映画祭が掲げる「日本映画をめぐる対話」をいっそう豊かにしてくれます。

学生審査員賞

La Fémis (国立高等映像音響芸術学校)、INALCO(フランス国立東洋言語文化学院)、ソルボンヌ・ヌーヴェル大学、そしてフランスにおける日本映画関係者の中での重要な役割を担うパスカル=アレックス・ヴァンサン氏との連携により実現した賞です。 3校から2名ずつ、計6名の学生によって構成された審査員は、パスカル=アレックス・ヴァンサン氏と、キノタヨでの研修後にチームに加わった彼の元教え子・岡村夢氏のサポートを受けます。 映画と日本文化を横断する彼らの視点は、若い世代が発信する声の重要性を体現し、映画祭の精神を象徴しています。

個人賞

岸惠子賞

岸惠子氏は、世界的な評価を受けた稀有な日本人俳優であり、日本映画のフランスでの発展に尽力した先駆者です。 市川崑、小津安二郎、小林正樹ら名匠との作品を通じて時代を象徴し、また「文芸プロダクションにんじんくらぶ」を設立し、日本映画の創造性の自由を擁護。『怪談』『お吟さま』などの制作にも寄与しました。 映画監督イヴ・シャンピ氏との結婚を機にフランスに拠点を置き、日仏の映画文化の架け橋となった存在でもあります。 2022年には娘のデルフィーヌ・シャンピ氏が審査員を務め、2023年にはパスカル=アレックス・ヴァンサン監督によるドキュメンタリー『KEIKO KISHI, Une Femme Libre』を上映しました。

こうした功績を称え、現代日本映画において活躍する女性の姿に光を当てる賞として、岸惠子氏のお名前を冠しています。

第1回《岸惠子賞》受賞者は、映画『Niagara』(カンヌ・シネフォンダシオン2014、PIAフィルムフェスティバル グランプリ)で注目され、『PLAN 75』(カンヌ2022 カメラドール特別表彰)、『Renoir』(カンヌ国際映画祭2025 コンペティション)で高く評価された早川千絵監督です。

新鋭才能賞

不定期に授与される特別賞で、将来の飛躍を強く期待させる才能を称えるために創設されました。 この賞の誕生は『由宇子の天秤』(キノタヨ2021選出)以降、目覚ましい活躍を見せる河合優実氏の存在に触発されています。 その後出演された『PLAN 75』『ナミビアの砂漠』などを経て、前回のソレイユ・ドール受賞作『あんのこと』、での演技によって日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得されました。

特別ソレイユ・ドール

極めて限られた回のみ授与される名誉賞で、日本映画界を代表する人物の功績とキャリアを称えます。 映画祭創設以来、受賞者はわずか3名のみです:
役所広司氏(2024)/ヴィム・ヴェンダース監督(2023)/今村昌平監督(2006)

映画祭トロフィー

20周年を記念し、フランスと日本の芸術的対話を象徴する新しいトロフィーを制作しました。 素材には、100%日本製で、ヨーロッパではパリ組が紹介している革新的で持続可能な素材《URCYL》を採用しています。。 漆と木粉を原料とするURCYLを、日本で研鑽を積んだフランス人漆芸家ニコラ・ピノン氏が加工し、唯一無二の作品として完成させています。 日本の伝統技とフランスの情熱が、映画祭のたびに出会い、形となります。

詳細については、専用ページをご覧ください