Kinotayo 17e festival du cinéma japonais contemporain

野火

© SHINYA TSUKAMOTO / KAIJYU THEATER

出演: 塚本晋也、リリー・フランキー、中村達也、森優作
製作: 2015 | 本編: 87分 | ジャンル: ドラマ | 日本語音声・フランス語字幕

作品概要

『鉄男 TETSUO』『KOTOKO』の塚本晋也監督が大岡昇平の戦争文学を自らの主演で映画化。第2次大戦末期のフィリピン・レイテ島を部隊に、病に侵され部隊と野戦病院からも追い出されて彷徨う日本軍兵士の姿を描く。共演には『そして父になる』のリリー・フランキーなど。20年以上にわたり構想を温め続けていたという塚本監督は製作、撮影、編集等も自身で担当し、自主制作映画ながら、ヴェネチア映画祭コンペティション部門をはじめ各国の映画祭で上映された力作。

第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島。日本軍の敗戦が色濃くなった中、田村一等兵は結核を患い、部隊を追い出されて野戦病院行きを余儀なくされる。しかし負傷兵だらけで食料も困窮している最中、少ない食料しか持ち合わせていない田村は早々に追い出され、ふたたび戻った部隊からも入隊を拒否される。そして果てしない原野を彷徨うことになるのだった。

空腹と孤独、そして容赦なく照りつける太陽の熱さと戦いながら、田村が見たものは…

塚本晋也監督

1960年東京都出身。14歳で初めて8mmカメラを手にし、1988年に映画『電柱小僧の冒険』でPFFアワードでグランプリを受賞。劇場映画デビュー作となった『鉄男 TETSUO』(1989年)が、ローマ国際ファンタスティック映画祭でグランプリを獲得。ベネチア国際映画祭との縁が深く、『六月の蛇』(2002)はコントロコレンテ(現オリゾンティ)部門で審査員特別大賞、『KOTOKO』(2011)は同部門最高賞のオリゾンティ賞を受賞。さらに1997年のメインコンペティション部門、2005年のオリゾンティ部門の審査員も務めている。

俳優としても活躍しており、2002年には『クロエ』(利重剛監督)、『殺し屋1』(三池崇史監督)、『溺れる人』(一尾直樹監督)、『とらばいゆ』(大谷健太郎監督)の演技で毎日映画コンクール男優助演賞を受賞。遠藤周作原作×マーティン・スコセッシ監督『SILENCE(原題)』(2016年全米公開予定)にも出演している。