『FORMA』(FORMA)

元同級生の女性２人を軸に張り巡らされた伏線と、過剰な演出を排除しリアリティを追求した独特の手法で、人間の本質と心の闇に迫るヒューマン・サスペンス。今年度ベルリン国際映画祭フォーラム部門・国際批評家連盟賞など国内外で高い評価を獲得した。 

ある日、由香里は同級生だった綾子と９年ぶりに再会し、誘われるままに綾子の会社で働き始める。しかし、綾子は徐々に由香里に冷たくなり、理不尽な態度を取るようになる。次第に追いつめられる由香里。実は綾子には積年のある思いがあった。積み重なった憎しみが、綾子の心の闇を深めていく。そして綾子は胸に秘めたあることを確認するため、由香里を呼び出す。

1981年熊本県出身。高校卒業後、映画監督を目指し上京。『ヴィタール』(2004)など塚本晋也監督作品に多数参加し、演出・撮影・照明技術を学ぶ。その後、照明技師として様々な作品の光演出を手掛け、映像作家としてミュージックビデオやドキュメンタリー、ライブ、インスタレーションなどの映像演出も行っている。
イラン映画やミヒャエル・ハネケなどのヨーロッパ映画の影響を受けつつも独自のスタイルを構築し、６年をかけて完成させた『FORMA』は、長編初監督作品ながら各国の映画祭で上映され、東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門・作品賞、香港国際映画祭ヤング・シネマ・コンペティション部門・スペシャルメンション、ベルリン国際映画祭フォーラム部門・国際批評家連盟賞を受賞した。