Kinotayo 17e festival du cinéma japonais contemporain

淵に立つ

©2016 FUCHI NI TATSU FILM PARTNERS & COMME DES CINEMAS

出演: 浅野忠信、筒井真理子、古舘寛治、太賀、篠川桃音
製作: 2016 | 本編: 118分 | ジャンル: ドラマ | 日本語音声・フランス語字幕

作品概要

2016年カンヌ映画祭初参加にして、ある視点部門審査員賞に輝いた深田晃司の最新作。突然現れた男によって家族の闇が露見していく様を描く。圧倒的な人間描写と大胆かつ緻密なストーリーテリングは心を揺さぶり、観る者に人間の深淵を覗かせる。

郊外で小さな金属加工工場を営む鈴岡家は、夫・利雄、妻・章江、10歳の娘・蛍の三人家族。平穏な家庭生活を送るごく平凡な彼らの前にある日、利雄の旧い知人で、最近まで服役していた八坂が現れる。利雄は章江に相談もなくその場で八坂を雇い入れ、自宅の空き部屋を住居として提供する。突然の出来事に戸惑い、夫の行動をいぶかしがる章江だったが、蛍はオルガンが上手く自分の練習に喜んで付き合ってくれる八坂になつき、章江も礼儀正しく静かな佇まいの八坂に次第に好意を抱き始める。
八坂は家族の一員のようになっていくが、やがて明かされてゆく利雄と八坂の過去の因果は家族を思わぬ方向へ導いてゆくのだった。

深田晃司

1980年生まれ、東京都出身。映画美学校監督コース修了後、2005年、平田オリザ主宰の劇団青年団に演出部として入団。2006年発表の中編『ざくろ屋敷』にてキノタヨ映画祭ソレイユドール新人賞を受賞。2008年『東京人間喜劇』がローマ国際映画祭、パリシネマにて上映される。2010年『歓待』にて東京国際映画祭日本映画「ある視点」部門作品賞、プチョン国際映画祭最優秀アジア映画賞(NETPAC賞)を受賞。続く『ほとりの朔子』(2013)ではナント三大陸映画祭グランプリ&若い審査員賞をダブル受賞、タリンブラックナイト国際映画祭監督賞受賞。フランスの新聞・各映画誌でも高く評価され、劇場公開された。2015年には平田オリザの舞台の映画化『さようなら』を監督。
日仏共同制作の本作で、2016年カンヌ国際映画祭ある視点部門の審査員賞を獲得した。
日本映画の多様性を創出し育むことを目的としたNPO法人「独立映画鍋」の代表理事。