Kinotayo 18e festival du cinéma japonais contemporain

『Keiko Kishi, une femme libre(原題)』

© Paper Moon

監督: パスカル=アレックス・ヴァンサン
出演: 岸惠子
製作: 2023 | 本編: 52分 | ジャンル: ドキュメンタリー映画、伝記映画 | フランス語音声

作品概要

今敏や田中絹代のドキュメンタリー映画も撮っているパスカル=アレックス・ヴァンサンが次にスポットライトを当てたのは、世界的に有名な日本人女優のひとりである岸惠子。パリに移住した後も、日本で俳優業、制作会社設立など精力的に活動を続ける。そんな「自由な女性」の先駆者・岸惠子の半生を追う。

岸惠子は長い間、世界で知られている日本女優の数少ないひとりだった。彼女はとても自由奔放で、誰かの顔色をうかがうことをしない強い女性でもあった。まだ人気絶頂だった1957年、彼女がフランス人映画監督のイヴ・シャンピと結婚し、彼を追ってヨーロッパに渡る。しかし、日本での女優業を諦めたわけではなかった。市川崑監督の『おとうと』(1960)を皮切りに映画に出演し、女優仲間とともに制作会社「にんじんくらぶ」設立。田中絹代の『お吟さま』(1962)や小林正樹の『怪談』(1964)などを製作する。今作では、当時の映像だけでなはなく、未公開インタビューや専門家・友人・家族からの証言を通して、芸術においても人生においても自由であり、世界を飛び回って活躍する女性の先駆けである岸惠子のキャリアをたどる。

パスカル=アレックス・ヴァンサン

1967年生まれ。大学で文学と映画史を専攻。配給会社のAliveに就職し、日本映画の配給に携わった後、監督に転向。2005年のカンヌ国際映画祭では、短編映画『Bébé Requin』がパルムドールのコンペティション部門に選出された。2007年には日本のアニメ『キャンディ・キャンディ』をベースにした短編映画『Candy Boy』でアニメーションに挑戦。2020年には、日本のアニメーション監督であり漫画家でもある今敏の没後10周年を記念したドキュメンタリーを、2022年にはドキュメンタリー『Kinuyo Tanaka, une femme dont on parle』を製作。 2018年に『Dictionnaire du cinéma japonais en 101 cinéastes』を出版している。