Kinotayo 18e festival du cinéma japonais contemporain

『家族のレシピ』 La Saveur des ramen

監督: エリック・クー
出演: 斎藤工、マーク・リー、ジネット・アウ、伊原剛志、別所哲也、松田聖子
製作: 2018 | 本編: 90分 | ジャンル: ドラマ | 日本語音声・フランス語字幕

作品概要

実家のラーメン屋で働く真人は、日本人の父とシンガポール人の母の間に生まれた。急死した父の遺品の中に、20数年前に亡くなった母の日記を見つけた真人は、若き日の両親の足跡を追ってシンガポールに渡る。やがて現地在住の日本人フードブロガーの協力を得て、叔父や祖母と出会い、両親のせつない愛の秘話を伝えられるが、そこには真人が初めて知る両国の痛ましい歴史が横たわっていた。日本料理の板前だった父と、街の食堂の娘だった母を結びつけたバクテーはどんな味だったのか?バラバラになった家族を再びひとつにするため、真人は自らのルーツに向き合い、家族の想いを融合させたある料理を完成させていく。

エリック・クー

1965年、シンガポール生まれ。オーストラリアのシティ・アート・インスティテュート(現ニューサウスウェールズ大学アート&デザイン学部)で映画製作を学ぶ。多数の短編を監督したのち、ミーポック(シンガポールの麺料理)売りの青年と娼婦の愛を描いた『Mee Pok Man』(95)で長編デビュー。高層マンションの住人たちの24時間を描いた長編第2作『12 Storeys』(97)がカンヌ国際映画祭・ある視点部門で上映されて以来、同映画祭の常連となる。第3作の真実の愛を探し求める3人の男女の物語『Be With Me』(05)は監督週間オープニング作品に選ばれ、続く第4作のインド系マジシャンと幼い息子の父子愛を描いた『My Magic』(08)はパルムドール候補となった。その他、『TATSUMI マンガに革命を起こした男』(11)では劇画の創始者、辰巳ヨシヒロの人生とその作品を斬新なアニメーションで表現。シンガポール・香港合作の『In the Room』(15)では、老舗ホテルの一室を舞台に6つの時代に6組のカップルが愛を交わす様を描き、センセーションを巻き起こした。

また、プロデューサーとして後進の育成にも積極的に取り組み、ロイストン・タン監督の『15』(03)や『881』(07)、ブライアン・ゴートン・タン監督の『Invisible Children』(08)などを製作。さらにアジアを代表する監督・プロデューサーとして、齊藤工を含む6カ国の監督が参加するHBOアジアのホラーシリーズ「FOLKLORE」(18)のショーランナーを務める。