Kinotayo 17e festival du cinéma japonais contemporain

『二重のまち/交代地のうたを編む』La ville en deux strates

© Komori Haruka + Seo Natsumi

出演: 古田春花、米川幸リオン、坂井遥香、三浦碧至
製作: 2021 | 本編: 79分 | ジャンル: ドキュメンタリーフィクション | 日本語音声・フランス語字幕

作品概要

2018年、4人の旅人が陸前高田を訪れる。まだ若いかれらは、“あの日”の出来事から、空間的にも時間的にも、遠く離れた場所からやって来た。大津波にさらわれたかつてのまちのことも、嵩上げ工事の後につくられたあたらしいまちのことも知らない。旅人たちは、土地の風景のなかに身を置き、人びとの声に耳を傾け、対話を重ね、物語『二重のまち』を朗読する。他者の語りを聞き、伝え、語り直すという行為の丁寧な反復の先に、奇跡のような瞬間が立ち現れる。

小森はるか+瀬尾夏美

東北沿岸地域を訪れたことをきっかけに活動を開始。翌2012年、岩手県陸前高田に拠点を移し、人々の語り、暮らし、風景の記録をテーマに制作を続ける。2015年仙台にて、東北で活動する仲間とともに、記録を受け渡すための表現をつくる組織「一般社団法人NOOK」を設立。 

小森はるか:1989年静岡県出身。映像作家。映画美学校12期フィクション初等科修了。東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業、同大学院修士課程修了。長編ドキュメンタリー映画『息の跡』(2016)で2017年キノタヨ映画祭に来場、審査員賞を受賞。2018年には『空に聞く』が劇場公開された。

瀬尾夏美:1988年東京出身。画家、作家。東京芸術大学美術学部先端芸術表現科卒業、同大学院修士課程油画専攻修了。著書に『あわいゆくころ——陸前高田、震災後を生きる』(晶文社/2019年)。文学ムック『ことばと』vol.2(書肆侃侃房/2020年)に小説『押入れは洞窟』を掲載。