『スパイの妻』 LES AMANTS SACRIFIÉS
監督: 黒沢清
出演: 蒼井優、高橋一生、東出昌大
製作: 2020 |
本編: 115分 |
ジャンル: サスペンス、ドラマ | 日本語音声・フランス語字幕
作品概要
1940年、神戸で貿易会社を営む優作は、赴いた満州で、恐ろしい国家機密を偶然知り、正義のため、事の顛末を世に知らしめようとする。満州から連れ帰った謎の女、油紙に包まれたノート、金庫に隠されたフィルム…聡子の知らぬところで別の顔を持ち始めた夫、優作。それでも、優作への愛が聡子を突き動かしていく。すべての国民が同じ方向を向くことを強いられていた太平洋戦争開戦間近の日本。正義を貫くためには、誰かを陥れなければならない。愛を貫くためには、誰かを裏切らなければならない。正義、欺瞞、裏切り、信頼、嫉妬、幸福。相反するものに揺られながら、抗えない時勢に夫婦の運命は飲まれていく。
黒沢清
1955年兵庫県出身。立教大学で映画評論家の蓮實重彦に学び、8ミリ映画を撮り始め、1983年ピンク映画『神田川淫乱戦争』で商業映画デビュー。後に90年代の日本のヌーベルバーグの旗手となる。『CURE キュア』(1997)、『回路』(2000)、『アカルイミライ』(2002)、『叫』(2006)等で海外でも注目を集め、『トウキョウソナタ』(2008)がカンヌ国際映画祭ある視点部門・審査員賞を受賞、2012年の『贖罪』はTVドラマながらヴェネチア国際映画祭に招待され、フランスでも劇場公開された。続く『Seventh Code セブンス・コード』(13)、第68回カンヌ映画祭ある視点部門監督賞を受賞した『岸辺の旅』(14)、『クリーピー偽りの隣人』(16)、オールフランスロケを敢行した『ダゲレオタイプの女』(16)、『散歩する侵略者』(16)、1ヶ月間ウズベキスタンに滞在し撮影を行った『旅のおわり世界のはじまり』(18)など、数々の作品で国際的に高い評価を受けている。