『早春』
監督: 小津安二郎
出演: 淡島千景、池辺良、岸惠子、加東大介、笠智衆
製作: 1956 |
本編: 144分 |
ジャンル: ドラマ | 日本語音声・フランス語字幕
作品概要
単調な結婚生活に嫌気がさし、不倫に揺れるサラリーマン夫婦のドラマを、淡島千景、池辺良、岸惠子などの当時のスターを迎えて撮った若者向けの作品。伝統や結婚などに切り込むだけではなく、社内の人間関係やしきたり等の昭和30年代の会社勤めの息苦しさがシニカルに描かれている。
杉山正二は丸ビルの会杜に通勤しているサラリーマンで妻の昌子とは倦怠期真っ只中。退社後は麻雀やパチンコにふけるのが日課のようになっていた。そんな単調な生活に嫌気がさした昌子も実家に帰り、おでん屋をやっている母を相手に愚痴をこぼしている。ある日曜日に蒲田からの通勤仲間とハイキングに出かけたのがきっかけで、同僚の若くて美人な金子千代と急に親しくなり、ついに千代の誘惑に負けて関係をもってしまう。そのことが仲間に知られて責められるだけではなく、昌子にまで気づかれてしまい家出されてしま
小津安二郎
1903年東京生まれ。日本映画を代表する監督のひとりで、1927年から1962年のキャリアのなかで54本の作品を監督した。代表作に『晩春』(1949年)『東京物語』(1953年)などがある。1962年には映画人初の日本芸術院会員に選出された。 時代の経過や生活様式の洋風化、伝統的な家族の解体などの社会の変化を日常ドラマを通して描き出し、近くも遠くもある特異なそのまなざしで、観客ひとりひとりを物語のなかにいざなう。ロー・ポジションによる撮影や厳密な構図作りといった、洗練された簡潔な演出が独特の映像世界を作り出している。フランスでも世代にかかわらず根強い人気がある。