『典座 -TENZO-』
監督: 富田克也
出演: 河口智賢、近藤真弘、倉島隆行、青山俊董
製作: 2019 |
本編: 63分 |
ジャンル: ドキュメンタリーフィクション | 日本語音声・フランス語字幕
作品概要
『サウダージ』『バンコクナイツ』(2016年キノタヨ映画祭審査員賞受賞)に続く富田克也監督最新作。「典座」とは禅宗寺院で僧侶の食事を司る重要な役職。道元禅師が著した「典座教訓」を軸にドキュメンタリーとフィクションを織り交ぜながら、3.11以後の日本の姿、そして現代における仏教、信仰とは何かを問う。今年のカンヌ映画祭で上映され、フランス全国公開(11/27予定)が控える話題の中編。
<ストーリー>
10年前、本山での修行期間を終えた兄弟子の隆行と弟弟子の智賢は、自らの生まれた寺へとそれぞれ戻っていった。
富士山の裾野の山梨県都留市、耕雲院。智賢は、住職である父と、母、妻、そして重度の食物アレルギーを抱える3歳の息子と共に暮らしている。全国曹洞宗青年会副会長も務め、いのちの電話相談、精進料理教室やヨガ坐禅など、意欲的な活動を続けている。
一方の兄弟子・隆行は、福島県沿岸部にあった寺も家族も檀家も、全てを津波で流されてしまった。今では瓦礫撤去の作業員として単身仮設住宅に住まいながらも、本堂再建を諦めきれずにいた。
富田克也
1972年山梨県出身。都内で配送業に従事しながら8mmで制作した『雲の上』(2003)が映画美学校映画祭2004にてスカラシップを獲得。これを元に制作した『国道20号線』を2007年に発表。
2011年の『サウダーヂ』がナント三大陸映画祭グランプリ、ロカルノ国際映画祭独立批評家連盟特別賞など高く評価される。日本・フランス・タイ・ラオスの4カ国共同製作となった『バンコクナイツ』(2016)はロカルノ国際映画祭で若手審査員・最優秀作品賞、キノタヨ映画祭審査員賞を受賞し、『サウダーヂ』に続きフランスでも劇場公開されている。全国曹洞宗青年会の依頼で製作された本作は仏教映画の枠を超えて青年僧侶たちの姿を通じて現代の悩みを描き、2019年カンヌ映画祭批評家週間に選出された。