Kinotayo 18e festival du cinéma japonais contemporain

息の跡

© KASAMA FILM + KOMORI HARUKA

監督: 小森はるか
出演: 佐藤貞一
製作: 2017 | 本編: 93分 | ジャンル: ドキュメンタリー | 日本語音声・フランス語字幕

作品概要

岩手県陸前高田市、荒涼とした津波跡地の真ん中にプレハブで種苗店を再建し、命を育むたねを売る主人・佐藤貞一さんに密着したドキュメンタリー。本作が初長編となる20代の映像作家・小森はるかは、震災後、東京から被災地に移住し現地の様子を記録し始める。仕事の合間に慣れない英語で津波の体験を綴り朗読する佐藤さんの姿に、監督のカメラが柔らかに寄り添ってゆく。

陸前高田の自宅兼店舗を津波で流された佐藤さんは、跡地に自力でプレハブを建て「佐藤たね屋」の営業を再開する。様々なものを手作りし、井戸も手掘りした。
一方で佐藤さんは自分の被災体験を独学の英語で綴った本「The Seed of Hope in the Heart」を自費出版していた。壮大な物語の語り部さながらに一節を朗々と読みあげる姿はロビンソン・クルーソーやドン・キホーテのようにも映る。さらに中国語やスペイン語での執筆にも挑戦。彼はなぜ不自由な外国語で書き続けるのか? そこには何が書かれているのか?

小森はるか

1989年静岡県出身。映像作家。映画美学校を経て、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業、 同大学院修士課程修了。2011年4月ボランティアで東北を訪ねたことを契機に、画家で作家の瀬尾夏美と共にアートユニット「小森 はるか+瀬尾夏美」での活動を開始。2012年、岩手県陸前高田に拠点を移し、風景と人びとのことばの記録をテーマに制作を続ける。2015年にはさらに拠点を仙台に移し、東北で活動する仲間とともに記録を受け渡すための表現をつくる組織「一般社団法人NOOK」を設立。現在は自主企画の展覧会「波のした、土のうえ」、「遠い火|山の終戦」を全国各地に巡回中。

劇場長編映画デビュー作である本作は、山形国際ドキュメンタリー映画祭にて高く評価され、再編集を経て劇場公開された。

Bande-annonce (vosta)

les sous titres en français du film sont en cours de réalisation par nos équipes pour le festival