Kinotayo 17e festival du cinéma japonais contemporain

『とら男』(Torao)

© TORAO COMMITTEE

出演: 西村虎男、加藤才紀子、河野朝哉、緒方彩乃
製作: 2021 | 本編: 98分 | ジャンル: スリラー | 日本語音声・仏語字幕

作品概要

元刑事の老人と女子大生のコンビが未解決事件の真相に迫る!時効となった実在の未解決事件をモチーフに元担当刑事が本人役で主演、現実とフィクションがクロスオーバーする前代未聞の映画。監督は2017年キノタヨ映画祭クロージングで好評を博した短編『堕ちる』の村山和也。初長編ながら、ポン・ジュノの『殺人の追憶』やデヴィッド・フィンチャーの『ゾディアック』を彷彿とさせる、ミステリアスで力強い作品。

数々の事件を解決し敏腕刑事として名を馳せた70歳のとら男。刑事人生を終え一人で暮らしているが、日々の生活の中で思いを巡らせるのは、犯人の目星をつけながらも、時効となり唯一迷宮入りさせてしまった「女性スイミングコーチ殺人事件」のことだった。一方、大学で植物学を学ぶかや子は「メタセコイア」という珍しい植物の調査で金沢にやって来る。メタセコイアは例の未解決事件の重要証拠のひとつであった。かや子の熱意に押され、とら男はかや子と再捜査を始めることに。風変わりな二人組は果たして真犯人へと辿り着けるのか?


村山和也

1982年石川県出身。2002年ニューヨーク市立大学在学中に短編映画から映像制作を始める。 2004年に帰国後、CM制作会社を経て、2008年よりミュージックビデオやCMを中心にフリーランスの映像ディレクターとして活動を開始。

映画初監督作品となった短編『堕ちる』は桐生市の「きりゅうシネマ」の企画書コンペティションで選出され、きりゅう映画祭の支援を得て制作された。2017年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭のオフシアターコンペティション部門でスペシャル・メンションを受賞。上映会イベントは口コミで売り切れが続き、その後短編としては異例の劇場公開も果たす。2017年キノタヨ映画祭でもクロージング作品として上映され、ゲストとして来場している。

本作はその内容からあえて100%監督自身の自己資金で制作することを決意。TAMA NEW WAVEコンペティション部門でジャパンプレミアされ、初長編監督作ながら、主演の元刑事西村虎男にベスト男優賞受賞をもたらしている。