Kinotayo 18e festival du cinéma japonais contemporain

役所広司

1956年、長崎県生まれ。日本の映画界を代表する俳優の一人であり、1978年に黒澤明や成瀬巳喜男といった日本映画の巨匠たちの作品に出演した伝説的俳優・仲代達矢のもとに師事。飛躍のきっかけとなったのは、伊丹十三監督の名作『タンポポ』(1985年)での“白いスーツの男”役や、周防正行監督の大ヒット作『Shall We ダンス?』(1996年)で演じた主役など。

その後、今村昌平や黒沢清といった国際的に名高い日本の映画監督たちの作品に出演。今村昌平監督『うなぎ』(1997年)は、その年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した。黒沢清監督の作品では、役所は監督の信頼する俳優として『CURE』(1997年)をはじめ、8作品に出演。また、ロブ・マーシャル監督の『SAYURI』(2005年)やアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の『BABEL』(2006年)など、アカデミー賞受賞作を通じて、国際的な広がりを見せる。

才能は俳優のみならず監督としても発揮し、2009年には『ガマの油』で自身が監督と主演を務めた映画制作にも挑戦した。さらに声優としても活動し、細田守監督の作品などでアニメ映画の世界に足を踏み入れている。また、今回のKINOTAYO映画祭で上映予定である2024年のアヌシー国際アニメーション映画祭でポール・グリモー賞を受賞した八鍬新之介監督作『窓ぎわのトットちゃん』で、校長先生役として声優出演している。

テレビドラマでは、黒沢清監督によるホラードラマ『降霊』(2000年)や、2011年の福島第一原発の原子力災害を題材にしたNetflixのドラマ『THE DAYS』(2023年)にも出演している。近年では、ヴィム・ヴェンダース監督『PERFECT DAYS』(2023年)での役が世界的に注目を集め、第76回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した。

第18回を迎えた弊映画祭ではレトロスペクティブの一環として役所広司特集を上映予定ですので、ぜひこの機会に素晴らしい演技を(再)発見ください。また、主演を務める曽利文彦監督最新作の『八犬伝』(2024年) は本年度映画祭のコンペティション部門で上映されます。